職歴ゼロの41歳に未来はあるのか? 税金、保険料、ケータイ料金も年老いた両親に頼る日々

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2017年5月28日 8時54分 日刊SPA!


働き盛りの世代でありながら、独身かつ無職――。ここでは、一度のつまずきで社会から孤立してしまった男たちの日常に密着取材を敢行。
彼らが無職となった理由は何なのか? なぜ孤立から抜け出せないのか? 決して他人事ではない、彼らの心の叫びに迫った。

◆職務経験まったくなし。老いゆく親に不安を抱く


●相沢康英さん(仮名・41歳)/無職歴41年/前職アルバイト

 「人生で一度も定職に就いた経験がない」という相沢康英さん(仮名・41歳)。密着取材をしたこの日は昼すぎに起床。
大量のモノに埋もれた部屋で読書に勤しんでいる最中だった。長年の定位置である万年床に座り、職に就かなかった理由をこう語る。

「僕が高3の頃はちょうど就職氷河期でした。僕よりうんと優秀な生徒でも就職活動に失敗していたのを目にし、僕なんかが職に就けるわけがないと思ってしまったんです。
まぁ、それを言い訳にして面倒な就活から逃げていた部分もあったんでしょうが……」

 進路を何も決めずに高校を卒業した後は、アルバイトで生活費を稼ぐ日々が始まったという。

「甘栗の販売や建設現場、翻訳会社の事務など、さまざまなバイトをしましたが、どれも長くは続きませんでした。特に、運送業や引っ越し業者などの肉体労働はすぐ面接に受かるのですが、
持病の喘息が出てしまって体力的に続かなかったんです。20年近いアルバイト生活のなかで一番続いたものでも、期間は2年くらいですかね」

 そんな相沢さんにも一つだけ続けていることがある。それは、“演劇”の舞台に立つことだ。

「求人雑誌の後ろに載っていた劇団員募集のページを見て応募して以来、小演劇にどっぷりとハマってしまって。とは言ってもそれで儲けが出ることはなく、むしろずっと赤字です。
現在も脚本から演技まですべて私だけで行うひとり舞台を続けています。大きな劇場を借りるのは高いので、
古民家を改装した飲食店や地方の公民館などを無料で借りて演じています。昔は雑誌に紹介されたこともあるんですけどね……」