日本のオジサンにとって衝撃的なのは、世界一の「孤独大国」が日本だということだ。
厚生労働省によると、日本の全世帯数に占める単独世帯の比率は、平成27年が34・5%。これが、52(2040)年には39・3%にまで増える。
そのとき65歳以上の男性の20・8%、女性の24・5%が独居と見込まれている(1月発表の国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」)。
女性の独居率のほうが高いが、男性は人に頼るのが苦手、おしゃべりも不得手なので女性より「孤独リスク」は高いとされる。

さらに、世界で日本のオジサンがもっとも危ないと指摘するのは、経済協力開発機構(OECD)。21カ国を調べたら、日本の男性が「最も社会的に孤独(孤立している)」だった(2005年の調査報告書)。
岡本さんは、「雇用環境や文化的背景に理由がある」と分析する。
「会社でのコミュニケーションは上意下達。これに染まると、退職後にフラットな人間関係を構築することが難しくなる。そうかといって現役の間は、仕事で忙しく会社以外の人間関係を作る時間もない」
つまり、日本のオジサンの会社中心の人間関係は、定年退職であえなくついえて、待っているのは孤独ということだ。
岡本さんは、「会社は、孤独養成装置になっている」と断言する。