14年の事業改善命令以来

 JR北海道は、2014年1月に国から事業改善命令を受けて以来、新規案件を見合わせてきた関連事業を今後、拡大する方針だ。鉄道事業では赤字線区見直しを進める一方、好調な関連事業では攻めの方向にかじを切り、経営基盤を強化する狙いがある。

 JR北は発足当初から事業の多角化を進めてきた。昨年度は、不動産賃貸業、ホテル業、小売業など鉄道・運輸事業以外の営業収益が787億円に上り、グループ全体の46%を占めた。

 グループ会社の中で一番の稼ぎ頭が、JRタワーなどを運営する「札幌駅総合開発」だ。昨年度の売上高は210億円に上る。JRタワー内の商業施設のテナント売り上げも975億円で、「商業施設として全国トップクラスの規模」(JR北幹部)となった。

 ホテル事業では現在、2館の都市型ホテルと「JRイン」の名前を付けた4館の宿泊特化型ホテルを運営しているが、JRインは来年、千歳駅前に新設する予定で、その後も札幌、函館での新設を検討する。

 小売業では、駅構内の売店などを順次、セブン―イレブンに転換したことで、売り上げが伸びて