>>344

続きを書くぜ

ほぼ同時に俺も体力の限界に達して
意識もなくなって
寝入ってしまったんだが

目が覚めたときには
すでにチェックアウト時刻の正午
まであと20分しかないという時刻
になっていて
俺たちは大急ぎで荷物をまとめ
ロビーへ降りていったぜ

小太りのおばさんは愛嬌があって
声も色気があって
決して悪い人ではなかったんだがよ
この調子で旅を続けることに
なったりしたら
毎日午前中の半日を無駄にする
ことになりかねないという気がしたのと
さすがに高校生の俺でも
毎晩長時間ベッドで付き合わされては
とても身がもたないと思って
俺はおばさんから離れる隙を
見計らっていたぜ

中央駅でトイレに行こうとしたんだが
バックパックは見ているから
おばさんのもとに置いていけと言われ
なかなか隙を見つけるのが難しかったぜ

交代で今度はおばさんがトイレに
行く番となり
俺はおばさんのリュックサックを
預かることになったぜ

おばさんがトイレに向かった直後
近くを大学生風の日本人男性が
通りがかったんだがよ
まさに救世主現るってかんじで
俺はその男性に声をかけて
おばさんのリュックサックを
10分程度見張ってもらうように
頼んだぜ
厚かましい気はしたんだが俺も必死で
運良くその男性は喜んで
俺の頼みを引き受けてくれたぜ

俺は一目散にホームへ向かい
行き先も確認せずに
発車間際の列車に飛び乗ったぜ

おばさんには申し訳ないとは思ったが
その大学生は俺のコトなんかすぐに
忘れさせてしまうぐらいの超美男子
だったんでよ
俺は気兼ねなく1人旅を再開
することができたぜ