>>820

続きを書くぜ

窓に光が射し込み
目が覚めてみると
列車はドイツ北部の平原を
走り続けていたぜ

時をほぼ同じくして大学生も
目を覚ましたぜ

そん時俺はな
コペンハーゲンまで何も食わずに
身体が持ち堪えられるか
不安になったぜ

コペンハーゲンはな
俺は小学校低学年の頃に
親に連れられて家族旅行で
すでに行ったことがあったからよ
再度訪問するなんて
考えてもいなかったんだぜ

当初の予定通り
イタリアを南下する夜行列車に
乗っていたら
すでにローマに着いている頃の
時刻になっていてな

コペンハーゲン到着までは
さらに半日はかかるってのに
俺は何も食料を持ち合わせていなくてよ
腹が減って大学生と話を続ける気力さえ
衰えてきたぜ

大学生は
フランスパンとジャムを取り出して
1人で朝食をとり始めたんだが
しばらくして
俺が何も食べ物を持っていないってこと
に気づいて
フランスパンを分けてくれたんだぜ