現行の選挙制度の欠陥は明らか。ブッシュとゴアみたいに50万票差と0.5%の投票率の差がひっくり返るのはともかく、ヒラリーとトランプのは280万票差と2.1%の投票率の差。これは接戦でもなんでもない。

その原因は明白で、田舎の州の票の重みが大き過ぎるから。ワイオミングとカリフォルニアで3.6倍の差。この問題は上院で過去に何度も議題に上がってるが、今は選挙制度があまりに片方の党(共和)に有利になってしまったし、electoral college の廃止には憲法改正が必要なので、その可能性は将来的にもほぼゼロ。

しかし抜け道として、現在ブルーステートを中心にそれぞれの州のelectoral voteをアメリカ全国の得票数の勝者に捧げる事を誓約するnational popular vote interstate compactと言う運動が進んでいる。このcompactには現在196のelectoral voteを保持する15州が参加を表明していて、これが270(過半数)まで増えれば、全国のpopular voteの勝者が自動的に勝つ事になる。この取り決めには上院の認可は必要だが憲法改正は必要無く、こちらの現実化の可能性は将来的にはあり得る。

誤解が無いように付け加えておくが、
現行制度に欠陥が存在する事を指摘するのと、その制度に存続の意義が有るかを論じるのは、別の問題。