終身雇用制と年功序列賃金は日本独自のものと思われて
いますが、実は欧米でもよく見られます。賃金は年齢で
無く、経験や等級ですが。

欧米では離職率が高く、転職も多いように伝えられてい
ますが、これはあくまで実力主義のホワイトカラーだけ
の話で、ホワイトカラーが労働力人口に占める割合も
大変少ないです。日本のように何でもかんでも新卒で
総合職という社会とは全く違います。

欧米ではホワイトカラーとそれ以外(基本はブルーカラー)
は厳密に分けられます。採用の時点からステイタスが違い
ます。オフィスでも数多くのブルーカラー(日本で言う
事務補助職、一般職)が少数のホワイトカラーを支えます。

ブルーカラーは実力で勝負できる技能を持ち合わせてい
ないので、普通は雇用はきちんと守られます。ある意味
終身雇用制です。お給料は経験を積んでスキルのレベルが
上がれば上昇します。工場の労働者も同様です。組合に
よって守られています。(工場労働者はまず組合に雇用
され、その産業の工場に派遣される雇用形態が普通)

日本でよく伝えられる欧米の雇用事情は、ホワイトカラー
のもので、実際はごく少数です。高い賃金を得る代わりに
雇用の保証はなく、目標が達成できなかったり、上司と
折り合いが悪いとすぐにクビにされます。またよりよい
労働環境(賃金が高い、より責任のある仕事が任される)
を求めて転職も多くします。

日本でよく言われる1ヶ月近くバカンスを取る労働者は
ブルーカラーが中心です。ホワイトカラーはバカンスを
とるブルーカラーのカバーをしなければいけないし、
目標達成もあるので、1週間くらいしか休まなかったり
休んでも働いています。

日本の総合職の労働環境と比べると、地獄のように
働きます。ただそれを自分で望んでホワイトカラーに
なるので、誰も文句は言いませんが。