● はっぴいえんどが開いた世界・松田聖子のアルバム『風立ちぬ』

松田聖子のアルバム『風立ちぬ』

はっぴいえんど解散後、細野晴臣、鈴木茂 は、
〈キャラメルママ〉〈ティンパン・アレー〉として、
松任谷由実(当時、荒井由実)、吉田美奈子、小坂 忠ら、
はっぴいえんど周辺のアーティストはもちろん、
雪村いづみ、アグネス・チャン、南 沙織などの演奏・プロデュースを担当し、
活動の領域を広げていった。

大滝詠一は自らが主宰する〈ナイアガラレーベル〉を立ち上げ、
アーティスト/ミュージシャンが自らレーベルを持つことは、
まだまだ珍しい時代に、自身の作品はもちろん、
山下達郎、大貫妙子を擁したバンド〈シュガー・ベイブ〉のアルバム『SONGS』など、
他アーティストのプロデュースも積極的に行なった。
松本 隆は、作詞家としてアグネス・チャン、チューリップ、太田裕美などに楽曲を提供、
ヒットメーカーとして活躍する。

70年代、それぞれの道を歩んだメンバーだが、
歌謡曲が黄金時代を迎えた80年代前半に、
松田聖子をはじめとするさまざまなアイドル、アーティストへの楽曲提供、
演奏クレジットに、細野、大滝、松本、鈴木の名が再び連なることになるのだが……
さて、この70年代に、音楽リスナーとして
サエキさんはどのような道筋を歩いていたのだろうか。