「それまでにもアイドルには曲を書いていたけど、ここまで自分のスタンスを築いていた人に書くことはなかったので、プレッシャーでしたよ」

 1984年1月1日にリリースされた中森明菜のシングル「北ウイング」。林哲司は明菜からの指名を受けた。

 「オファーはすごく抽象的でしたね。曲的には『少女A』のつっぱった女の子なのか、『セカンドラブ』のナイーブな女の子か、ディレクターにイメージを聞いたら、『真ん中でいってください』と…」

 最初は戸惑うばかりだった。ロック調の「少女A」とナイーブな「セカンドラブ」の真ん中…。「僕に白羽の矢が立ったってことは、激しい要素もありながら、ナイーブな一面もみせていくという曲を書いてほしいということだろうと思うしかなかった」
https://www.zakzak.co.jp/smp/ent/news/180928/ent1809288501-s1.html