★矢沢永吉 研究読本ー(2)

エーちゃんの成功の魔術と、60年のその総括人生の魅力を語る前に、まずふれておきたいことがある
それは誰もが簡単にクチにしている、「エーちゃん」という、その呼称のことである
ふつう人が「何々ちゃん」とクチにする時、それは自分よりも目下の者に愛をこめて使われる呼び名だと思われるが、どうだろう?
ためしに「ノブちゃん」とか「コーちゃん」とか「ヒロちゃん」とか、声に出していってみてほしい
笑えてこないか? もちろん「エーちゃん」というのは、「永吉」から来た「永ちゃん」という略称及び愛称なわけなのだが
誰がイチバンはじめに、矢沢永吉氏のことを「エーちゃん」と呼びはじめたのだろうか?
イーセットとかヤマトの時代から、そう呼ばれていたのか? このへん、木原氏や相沢氏なんかに、解答を求めてみたい
話は本筋に戻るが、我が国日本のスターで只今、ロック、演歌、歌謡曲、映画俳優その他諸々も含めて「何々ちゃん」と気軽に呼ばれている
ベテランスターが、何人いるだろう? すぐに浮かぶのが、コント55号の萩本欽一の「キンちゃん」くらいだ
その萩本欽一氏のことを「キンちゃん」とクチにした時、人はやっぱし、どこか自分が笑顔になりそうになってるのが、分かるはずだ
しかし「エーちゃん」の場合は違う 人は「ちゃんずけ」で「エーちゃん」のことを呼んでいるが、そこに笑いの入る隙は全くなく
逆に尊敬の念≠ェ入っているのだ 「ちゃんずけ」しているにもかかわらず、人はそこに親愛と尊敬の念≠相乗りさせているのだ
こんな呼称のスターが、かって日本にいただろうか? 石原裕次郎に対する「裕ちゃん」が、イチバンそれに近い気もするが
全く、そうでない気もする 不思議なことだ ライブ会場で連呼されるこの「エーちゃん」という摩訶不思議なロジック、呼称こそが
「E・YAZAWA」のロゴに匹敵する、革命的新発明のように思えてならないのである