吉田さんは第2期阪神監督就任時、やたら気前がよくなっていて、マスコミが「本当にあの吉田さん?」と自らのほっぺたをつねる人までいたらしい。
板東英二氏によれば「吉田さんの懐は痛まないシステム」とのことだったが、たとえその通りだったとしても人あたりの柔らかい人に変身していた事実は見逃せない。
85年の開幕直後、吉田さんがこっそり監督賞をマイク仲田に手渡した。中身を見ると10万円入っていた。
監督賞の額の相場は知らないが、稲尾さんがこっそり愛甲猛に監督賞を渡して大いに感激させた時の金額は
3万円。
吉田さんは本当に世間で言われているようなケチなのかも相当に怪しい。
なんとなく85年の日本シリーズは吉田阪神に世間が味方する空気が出来上がっていた。広岡さんもやりにくい感じだったのではないか。