キャンプ初日中西監督に呼ばれてコーチ陣が監督室に集まった
集まったみんなを前に中西は三原から譲り受けたノートを取り出すと内容を朗読し始めたのだった
オレはそんな新監督の姿を見てガッカリした
自分の言葉で語って欲しかったのだ
チームのみんなが中西に先頭に立ち自らがグラウンドのプレーで士気を鼓舞する選手中西の姿を求めていた
だが中西は練習には参加して快音を響かせるが試合になると痛いと言って出たがらなかった

キャンプ、シーズンと経過すると兼任コーチなる役職の無意味さを痛感した
そもそも自ら選手としてのコンディション調整で目一杯
他の選手に教えてやれる余裕などない
これは稲尾も一緒だった(稲尾は選手兼任投手コーチ)
主力として本人が投げながら他人の調整までするなんて無理ですよ
だからシーズン半ばにしてオレはライオンズの全てに愛想が尽きていました