ショウアップナイター名実況アナ、枇杷阪明さんが死去、89歳 王貞治の通算756号を実況

7/24(日) 16:23配信

ニッポン放送「ショウアップナイター」の名実況アナウンサーとして知られた、枇杷阪明(びわさか・あきら)氏が23日、誤嚥性肺炎のため死去した。89歳。
葬儀・告別式は26日、家族葬で執り行う。喪主は妻、頌子(のぶこ)さん。

枇杷阪さんは早大教育学部卒業後、1957年にニッポン放送に入社。プロ野球などのスポーツ中継を担当し、64年東京五輪ではボクシング、体操を実況した。
66年、ショウアップナイターの放送開始から、深澤弘さん(昨年9月死去、享年85)らと実況アナウンサーを務めた。

枇杷阪さんと深澤さんは、当時人気の絶頂にあった巨人・王貞治、長嶋茂雄の「ON砲」に、シーズン中は毎日交互にインタビュー。
その模様がナイター開始前に「ON日記」として放送され、人気を博した。

枇杷阪さんの実況のハイライトは、77年9月3日の巨人-ヤクルト(後楽園)。王がハンク・アーロンの大リーグ記録を超える通算756本塁打を放った瞬間を、
「王バンザイ。ハンク・アーロンの記録を破った。世界一。世界一の白球は、緑の人工芝の上を飛んで、後楽園球場ライトスタンドの大観衆の中に吸い込まれました」と実況した。

ニッポン放送の後輩アナウンサーだった宮田統樹さん(80)は「枇杷阪さんはグラウンドの隅々まで見渡し、正確に実況される方でした。
王さんの756号で『緑の人工芝の上を』と表現されたのを今でもよく覚えています。
ゲームの緊迫感の中にもユーモアを交えて表現した深澤さんとは好対照で、どちらも勉強になった」と振り返った。

枇杷阪さんはコロナ禍の前、宮田さんの案内で東京ドームのソフトバンク戦を訪問。ソフトバンク・王球団会長と旧交を温めた。
昭和のナイター中継の黄金期を担った名アナウンサーが、深澤さんの後を追うように、天国へ旅立った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a37a5dd4716fea26048fab62f918225c24d16898