>>501のつづき
『眼鏡っ娘有希』
 有希の高校の合唱部は伝統がある。新入生の部員に、先輩の部長が放った言葉は
「アンタたちも知ってのとおり、B高校の合唱部は県代表の常連校で、全国大会に出場したこともあるのよ。だから部活の練習も生半可じゃないわ。
 まず、体力づくりだから、筋トレをみっちりやることになってるわ。まあ、アンタたちがその練習に慣れて、体力がつくまでは3ヶ月かかるから、
 夏休み前まではしっかりやらなくちゃ。今度のGWには2泊3日の合宿があるから、そこでも鍛えるわ。」
平日の練習は筋トレを1時間した後で発声練習に入る。晴天時はランニングを入れる。土曜日と祝日は午前中に体力づくり、午後が発声練習のメニューで、
日曜日のみ休部である。部員は50人くらいで、各学年16〜18人である。男子と女子の生徒比は1:2で、混声チームによる音楽コンクールへの参加は
2、3年の部員となる。合宿の日、バスで青年の家へ行った。練習メニューは、土曜日と同じほか、夜のミーティングがある。入浴後、それぞれ
割り振られた宿泊室に入る。有希は4人部屋である。就寝までの1時間は同室の友とも語らいの時間である。
美帆「筋トレって運動部並みだわ。学校新聞の部活紹介で読んだ以上にキツイわ。」
真希「そうだわ。筋トレが終わったら暫く声も出ないね。」
沙耶「先輩たちのようになるのは夏休み前か。」 
有希「それまで体力づくりとはね。」
美帆「この学校はメガネの子が多いね。学校保健ニュース出ていた記事では近視が1年で50%、2年で60%、3年で70%だった。」
有希「沙耶とワタシはメガネだし…」
真希「ワタシは中学校では1.2だったのが高校へ入ってこの前の視力検査で0.8になっていたわ。来年あたりメガネかけなくちゃならなくなるのかな?」
美帆「ワタシは1.5だったから、《勉強してないな》と皮肉を言われたわ。」