■また「大阪都構想」を持ち出した橋下徹  適菜収(作家・哲学者)〈新潮45〉
■ウソが商売
大阪の例のアレがまた変なことを言い出した。
11月22日の大阪府知事、市長のダブル選で、再び「都構想」を旗印に掲げるんだって。
つい先日、大金をかけた住民投票で、大阪市民が下した判断は一体なんだったのか。
5月17日の住民投票直前になると、橋下は「都構想の住民投票は1回しかやらない」
「賛成多数にならなかった場合には都構想を断念する」と明言。
「今回が大阪の問題を解決する最後のチャンスです。2度目の住民投票の予定はありません」
「衰退する大阪を変える最初で最後のチャンス」
「僕のことはキライでもいい。大阪がひとつになる、ラストチャンスなんです」
「大阪を変えれるのは、このワンチャンスだけ」
大阪維新の会の公式HP、街頭演説、タウンミーティング、在阪民放5局の大阪維新の会のCM……。
ありとあらゆる場所で、橋下は「これが最後だ」と繰り返した。
退路を断ったかのように見せかけて、票を集める手口ですね。
橋下のウソはこれだけではない。
住民投票否決後の会見で、記者から「(政界復帰は)100%ないですか?」と問われると
「ウソをつく必要もない。政治家は僕の人生から終了です」と即答。
国政進出については、「ないですよ」「(議院内閣制の中では)僕は5秒ももたない」と述べた。
にもかかわらず、現在、アレは「おおさか維新の会」なる政党をつくり国政進出を狙っている。
私は住民投票後、すぐに次のような記事を書いた。
――橋下は否決直後に開かれた記者会見に満面の作り笑いを浮かべて登場。
巷のバカは「爽やか」「鮮やか」などと評していたが、極めて卑劣でおぞましい会見だった。
橋下は自身の進退についてこう述べた。
「市長任期まではやるが、それ以降は政治家はやらない」「もう政治家はぼくの人生では終了です」
「ぼくみたいな敵をつくる政治家がずっと長くやるなんて世の中にとって害悪」。
どんなに状況が変わろうが、将来にわたり政治家に戻ることはないと断言したが、いつも通りの嘘でしょうね。
橋下は府知事選出馬は「2万パーセントあり得ない」と言って知事になり、
任期途中に市長を辞職することはないと言って市長を辞職した職業的デマゴーグです。
すでに国政に出る気まんまんでしょう(「週刊文春」6月4日号)。
「私には先見の明がある」などと自画自賛したいのではない。
これまでのアレの言動を見れば、ウソしかつかないことくらいチンパンジーでもわかる…。(中略)
以下、結論。
橋下は詐欺師のような政治家ではない。政界に侵入した詐欺師なのだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151106-00010005-shincho-pol