「4年でできないことは入れない」平松・大阪市長、公約に「特別自治市」盛り込まず

11月の大阪市長選に再選を目指して立候補する平松邦夫市長は14日、近く発表するマニフェスト(公約)に、
市が大阪府の権限を吸収することにつながる「特別自治市構想」を盛り込まない方針を明らかにした。
平松氏は9月の出馬表明会見で、橋下徹知事が掲げる「大阪都構想」への対抗策として特別自治市構想の実現を打ち出したが、
市長選で支援を受けたい自民党側に構想に対する反発の声があることなどを受け、軌道修正を迫られた格好だ。
平松氏はこの日、特別自治市構想について「国の意向に左右され、任期中の4年で実現できない。
目指す方向性は変わらないが、任期中にやることを示すマニフェストには入れない」「(任期中に)できないことをできると言うより、
できないことはできないと言う方が正しい」と説明。
将来的な関西州の実現も見据えて「方向性を踏まえつつ、府内の自治体との連携の実績を積んでいきたい」とし、
都市構想については大阪府や府内市町村との「協議の場」の設置を組み込む考えを示した。
特別自治市構想は、政令市長で構成する指定都市市長会が現行の政令市制度に変わる仕組みとして提唱。
平松氏は9月の出馬表明で市長選の政策目標の一つとして挙げ
「本気度は(大阪都構想を掲げる)大阪維新の会が100%なら、うちは200%」と語った。
しかし、自民党大阪府連などが、府の権限を市が吸収するこの構想に反発。
平松氏陣営は、市長選で民主、自民、公明3会派からの支援を目指しており、
「反維新」の支援を広げることに配慮し、マニフェストに盛り込まないことを決めたという。
これに対し、橋下氏は14日、「何をもって選挙に出るのか分からない」と改めて平松氏を批判。
「(できないことは)初めから言わなければいい。何かをやりたいのではなくて、当選することが目的になっている」と指摘した。
市長選には平松氏のほか、元大阪市議の渡司考一氏、元兵庫県加西市長の中川暢三氏も立候補を表明。
維新は橋下氏のくら替え出馬が有力視されている。

産経新聞 10月14日(金)20時33分配信