知事「環境省は無責任」 汚染がれき受け入れ対応に怒り

 東日本大震災で発生した岩手、宮城両県のがれき受け入れの可否を検討している大村秀章知事は17日の
定例会見で、県が安心してがれきを受け入れるための説明を国がしていないとして「環境省は、無責任で無能」
と述べた。放射能に汚染された恐れのあるがれき受け入れに住民が反対する可能性がある中、国の対応があまりに
地方任せだと怒りを爆発させた。
 大村知事は岩手、宮城両県のがれきを受け入れる自治体を探している環境省の対応を「全国一律で事務的。大臣を
はじめ、政務三役はこれまで何をやっていたのか。“頼む”と言われたことは、私は一度もない。これで本当に
汗をかいたと言えるのか」と非難した。
 環境省は8月、焼却灰1キログラム当たりの放射性セシウムの濃度が8000ベクレル以下の場合、埋め立てが
可能とする指針を提示。10月4日、各県に、受け入れ可能量をあらためて調査するよう要請した。
 しかし、大村知事は「8000ベクレル以下は問題ないと言われ、県民が“はい、分かりました”と受け入れるのは
難しい」との認識を示し「例えば、焼却施設のフィルターに付いた放射性物質はどうするのか。こう処理したらいいと
示してほしい」と、具体的な説明を国に求める考えを見せた。
 さらに「被災地を支援しようという姿勢は変わっていない。やれることはやりたいと思っているから、こんなことを
申し上げている」と強調。あらためて、県と市町村が協議する場も設ける意向で「機会を捉え、私から直接、メッセージを
発したい」と話した。 
◆環境省廃棄物対策課「コメント控えたい」
 愛知県知事の発言にコメントすることは控えたい。「焼却灰1キログラム当たり8000ベクレル以下」とした基準は、
作業員が年に250日、1日当たり4時間、灰のそばで働いた場合でも年間被ばく線量が1ミリシーベルトを超え
ないように算出した。環境省の考え方は各県に8月に示しているが、分かりやすくする工夫は必要かもしれない。

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20111018/CK2011101802000107.html