節電:「県立校は冷房止めよ」 知事指示に愛知県教委困惑

 夏場の節電を陣頭指揮する大村秀章・愛知県知事が県立学校での冷房の停止を指示したことに対し、
県教委が困惑している。県立高校に設置されたエアコンのほとんどは、公費ではなくPTAの寄付金などで
設置され、電気代もPTAなどが負担しているのが実態。「知事の気持ちは分かるが、強権発動は難しい」
(幹部)というわけだ。
 大村知事は、中部電力が浜岡原発の全面停止によって電力需要がピークになる時間帯の節電を呼び掛けたのを
受けて対策を指示。24日の部長会議で「こんなに細かいことまで、という部分も含めて(対策を)積み上げたい」
と述べた。その際、「照明がなくてもノートは取れる、と思わんわけでもない」と自らの学生時代をふり返り、
「学校は(冷房などを)全部切ったれ」とはっぱをかけた。
 だが、実際はそう簡単ではない。県教委によると、県立高149校のうち、県の支出で教室に冷房が設置されて
いるのは2校のみ。90校では県の財源不足にしびれを切らし、各校のPTAが寄付金を集めて07年から順次
冷房を設置している。
 県が冷房を設置した2校は、騒音や排ガスで窓が事実上開けられない。特別支援学校にも冷房があるが、体温調節が
できない生徒もおり、いずれも冷房の停止は難しいという。
 県教委の幹部の一人は「こちらはあくまで各校ごとに協力をお願いする立場。知事は現場の実態がまだお分かりに
なっていないのかもしれない」と話す。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110530k0000m040141000c.html