実数係数の5次方程式は解ける。
まず、実根があることがわかるから、その1次因子で割れば四次方程式に
帰着するからだ。あとはフェラーリの方法を使えば良い。

そんなことはオイラーも知っていたし、書いてもいる。
難しいのは偶数次の場合であって、例えば実根を持たない6次方程式から
2次の因子を取り出す議論は、5次の場合のやうにグラフの性質から
実根があることが判る、というようなわけに行かず、簡単ではないのだ。
オイラーはいつか解析学が進歩すれば高次の代数方程式の解を一般的に
表せる方法が見付かることを期待するようなことを書いている。
しかしそれには複素数の理論の成熟を待つ必要があった。