0617132人目の素数さん
2022/06/29(水) 14:10:31.87ID:6tDYq3fP> 1)黒田本で、まず Dで正則で f(z)≠0から、補助定理「f(z)=e^h(z)の存在他」 https://imgur.com/bxvrkQg を導く ( P169)
> https://imgur.com/c2keZuC P170 上記証明の続きから定理7.10 (ショットキ(Schottky))へ
黒田本 補助定理「f(z)=e^h(z)の存在」(>>407より)
の証明でやっていること
1)f(z)=e^h(z)を微分すると
f’(z)=d(e^h(z))/dz =d(e^h)/dh・dh/dz=e^h(z)・h’(z)=f・dh/dz
これより
dh/dz=f’(z)/f(z) ( f(z)≠0から)
となる。これが、黒田本 P169 補助定理の証明の冒頭の1行
2)次に、P170で f’(z)/f(z) =Σk=0~∞ ck z^k と級数展開を使って
これを項別積分したのが、P170 3行目の Σk=0~∞ ck/(k+1) z^/(k+1) なる級数展開
これは、dh/dzを積分して、h(z)を求めていることに相当する
3)別の視点では、微分方程式 dh/dz=f’(z)/f(z) を、級数展開を解いているということ
この後で、積分定数cを求めている
これが、黒田の補助定理の証明のストーリーです
4)なぜ、単純に指数関数の逆の対数関数を使わないのか?
それは、下記の「対数関数のリーマン面」(故関口晃司名誉教授 高知工科大学)
にあるように、「(1′) 群準同形 exp : C → C× は逆関数をもたない」
「(2′) 関数 w =1/zは C× では原始関数をもたない」
から
5)つまり、黒田本は級数展開(及び暗に微分方程式)を使うことで、上記の困難にふれずに、巧みに回避して証明しているのです
けっして、へたくそな証明ではないのです
つづく