日本の大学には数学を教える教員が必ず置かれている。
ところが天文学や地球物理学や流体力学やアラビア語学などはそうではない。
明治の政策以来、優遇されているのだ。
大学の学科のリストでは理学部の中であれば必ず数学科が先頭になっている。
そうして数学科のなかでは、代数、幾何、解析、応用(その他)の順番に
リストされている。これもまた歴史的な序列である。つまり代数学が数学の中では
一番上等であって偉いのだ。
湯川秀樹博士がノーベル物理学賞を取るまえは、日本の学術の誇りの頂点は
高木貞治博士の類体論だった。神様と崇められるドイツの数学者、
なかでもヒルベルトのところに云って、当時のヒルベルトの予想を
裏切る結果を出して国際的に有名になった。