そこで、解決の方法は主に3つに別れる
まず、科学アカデミーから独立して各国や都市で数学分野の学会、数学会が独立して論文誌を発行するようになる
発行経費は会員からの会費や寄付によることになるが、どうしても会員の論文が優先されることになる
また、大学や研究機関の紀要から数学のみの論文誌が発行されるようになる
発行経費は基本的に大学の経費で賄うが、やはりその大学や研究機関のメンバーの論文が優先されることになる

そして、より公平な開かれた論文誌を目指して篤志家個人や有志が広く投稿を受け入れる数学論文誌を発行するようになる
当時の大先生達に冷遇されていたアーベルの論文がクレレ・ジャーナルに次々掲載されたのは画期的なことだった
この開かれた論文誌の影響で、学会誌や大学誌も広く投稿を受け入れるようになるが、学会や大学と違い、編集者や審査者、投稿者は無償で活動していても、最小限の雑務をこなす専任スタッフの人件費や印刷・流通にかかる発行費用を捻出するには読者に雑誌を購入してもらうしかなかった