(修正16)
【定理】pが奇素数のとき、x^p+y^p=z^pは自然数解を持たない。
【証明】x^p+y^p=z^pを、z=x+rとおいてx^p+y^p=(x+r)^p…(1)とする。
(1)をr^(p-1){(y/r)^p-1}=ap{x^(p-1)+…+r^(p-2)x}(1/a)…(2)と変形する。
(2)はa=1、r^(p-1)=pのとき、x^p+y^p=(x+p^{1/(p-1)})^p…(3)となる。
(2)はa=1以外、r^(p-1)=apのとき、x^p+y^p=(x+(ap)^{1/(p-1)})^p…(4)となる。
(3)はrが無理数なので、yを有理数と仮定すると、xは無理数となる。よって、解は整数比とならない。
(4)の解は、(3)の解のa^{1/(p-1)}倍となるので、(4)の解も整数比とならない。
∴pが奇素数のとき、x^p+y^p=z^pは自然数解を持たない。

【定理】p=2のとき、x^p+y^p=z^pは自然数解を持つ。
【証明】x^2+y^2=z^2を、z=x+rとおいてx^2+y^2=(x+r)^2…(1)とする。
(1)をr{(y/r)^2-1}=a2x(1/a)…(2)と変形する。
(2)はa=1、r=2のとき、x^2+y^2=(x+2)^2…(3)となる。
(2)はa=1以外、r=a2のとき、x^2+y^2=(x+a2)^2…(4)となる。
(3)はr=2なので、yを有理数と仮定すると、xは有理数となる。よって、解は整数比となる。
(4)の解は、(3)の解のa倍となるので、(4)の解も整数比となる。
∴p=2のとき、x^p+y^p=z^pは自然数解を持つ。