>>87
追加

http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=118434
学位論文要旨
伊藤,哲史
P進一意化を持つ多様体に対するウェイト・モノドロミー予想 2003.03.28
(抜粋)
 ウェイト・モノドロミー予想(weight-monodromy conjecture)とは,Deligneにより1970年の国際数学者会議において提出された予想である([D1]).これは,完備離散付値体上の固有かつ滑らかな代数多様体のl進コホモロジーに定義されたモノドロミー・フィルトレーションの重み(weight)が純であるという予想として定式化されており,
"Deligneによるモノドロミー・フィルトレーションの純性予想"とも呼ばれている.本論文の主結果は,Drinfeld上半空間によるp進一意化を持つ代数多様体に対し,ウェイト・モノドロミー予想が成り立つ,ということである.

 ウェイト・モノドロミー予想は,代数多様体が有限体上の曲線上の族から来ているときは,Deligne自身によってWeil予想の証明の中で解かれており([D2]),一般の正標数の場合はこれから従う.また,複素数体C上では,Hodge理論における対応物が単位円板上のHodge構造の退化の理論として研究され,Steenbrink,斎藤盛彦氏によって示されている([Sa]).
Kが混標数の場合も,曲線またはアーベル多様体の場合はGrothendieckにより([SGA7-I]),曲面の場合はRapoport-Zink,de Jongらにより示されている([RZ]).また,ある種の3次元代数多様体に対する結果もある(参考論文[1]).しかし,予想の提出から30年以上経った今日でも,3次元以上では一般には未解決である.

つづく