つづき

類体論と j-不変量
j-不変量は、多くの注目すべき性質をもっている。
τ が虚数乗法であると、すなわち、虚数部が正である虚二次体の任意の元である(従って、j-不変量が定義される)と、j (τ) は代数的整数である[1]。
体の拡大 Q[j (τ), τ]/Q(τ) はアーベル的、すなわち、ガロア群がアーベル的になる。
Λ を {1, τ} で生成される C の中の格子とすると、乗法の下に Λ を固定する Q(τ) のすべての元が、整環(英語版)(order)と呼ばれる環の単位元(unit)を形成することがの容易にわかる。
同じような方法で同一の整環の生成子 {1, τ′} を持つ格子は、Q(τ) 上で j (τ) の代数的共役である j (τ') を定義する。包含関係に従い、Q(τ) の唯一の最大整環は、Q(τ) の代数的整数の環の τ の値であり、Q(τ) の不分岐拡大を導く。
これらの古典的な結果は、虚数乗法論の出発点となっている。

代数的定義
今までは、j を複素変数の函数として考えてきたが、楕円曲線の同型類の不変量としては、j を純粋に代数的に定義することもできる。

π公式
同様な公式は、ラマヌジャン・佐藤級数(英語版)(Ramanujan-Sato series)を参照。
(引用終り)
以上