>>772 補足
時枝の話は、可算無限数列を、形式的冪級数(の係数)で
しっぽが一致
 ↓
式の次数が高い係数がすべて一致
におきかえると

問題の数列=1つの形式的冪級数の 形式的冪級数環のしっぽの同値類
と考えることができて 分り易い

例えば下記
(なお、変数をyとします(Xはすでに使っているため))
問題の数列 X:X1,X2,X3,・・,Xd,Xd+1・・
 ↓
形式的冪級数 FX=X1+X2y+X3y^2・・ xd-1 y^(d-2)+Xd y^(d-1)+Xd+1 y^d・・

代表列 rX:r1,r2,・・,rd-1,Xd,Xd+1,・・
 ↓
形式的冪級数 FrX=r1+r2y+r3y^2・・rd-1 y^(d-2)+Xd y^(d-1)+Xd+1 y^d・・
と、対応して書き直せる

ここで、2つの式の差 FX-FrX を考えると、係数がd番目Xdから後が一致しているので
FX-FrX= ・・・+0y^(d-1)+0y^d・・ としっぽの係数 d以降がすべて0になる多項式になる

そして、同値類は、形式的冪級数のしっぽによる 多項式環の話に直せる
つまり、決定番号は、多項式環の1つの式(=同値類の元)の次数d-1に直せる*)
(*)注:多項式環では、係数が0次の定数項から始まるので、次数との比較で1つ ずれる)

この話は、過去にガロアスレにも書いたが、また 時間があるときに 書きます
形式的冪級数→多項式環→多項式の次数 という流れで考えると
時枝記事の(みせかけ)トリックが、よく分ります

(参考)
http://lupus.is.kochi-u.ac.jp/shiota/
塩田研一 高知大学 理工学部 情報科学教室
http://lupus.is.kochi-u.ac.jp/shiota/misc/index.html
塩田研一覚書帳
http://lupus.is.kochi-u.ac.jp/shiota/misc/field/FieldTheory.html
体 ― 塩田研一覚書帳 ―
p 進体
p 進付値(ふち)
有限次代数体の素イデアル p についても p 進距離を考えることができます。
また体 F 上の一変数関数体 F(x) においては、例えば x が素数の役割を果たして付値が定義でき、
その完備化は形式的べき級数体 F((x)) になります。
Qp の中で |x|p≦1 を満たす元 x を p 進整数と呼び、 p 進整数全ての集合を Zp と表します。
http://lupus.is.kochi-u.ac.jp/shiota/misc/field/FiniteField.html
有限体 ― 塩田研一覚書帳 ―