>>369 追加

(参考)
https://mathsoc.jp/publication/tushin/index14-2.html
「数学通信」第14巻第2号目次
https://mathsoc.jp/publication/tushin/1402/1402kasuga.pdf
数学を伝えるという“難問”〜ポアンカレ予想取材記〜 NHK名古屋放送局制作部ディレクター 春日 真人 「数学通信」第14巻第2号 2009
(抜粋)
私がまず頼ったのは,インターネットで見つけた東京工業大学の小島定吉教授でした.
翌日,京都行きの新幹線の中.初対面の小島教授に声をかけたときの緊張を思い出します.

私が最も鮮明に覚えているのは,数学とは関係のない話なのです.
「数学者の集まりは『見た目』ですぐ分かりますよ.例えば機械工学の学会だと参加者は
スーツにネクタイ姿です.物理の学会だと参加者の服装はもう少しラフで,ネクタイはし
なくてもジャケットくらいは着ています.でも数学の学会ではネクタイをほとんど見かけ
ません.教官でも,学生と変わらずジーンズ姿が珍しくありません.」

その直後に京大でお会いした深谷賢治教授は,まさにジーンズ姿.小島さんの解説を地
でゆく人物でした.深谷さんはペレリマンのこんなエピソードを教えて下さいました.
「ペレリマンはとにかく難解な論文を書きます.しかも誰もが読めるように丁寧に噛み
砕いて書こうなんて考えていない.『宇宙人みたいだ』という人もいます.」
数学者は自分を飾らない.回り道をせず,すぐに本質の話が出来る.そんな楽しい思い
をした一日が,長い長い番組作りのスタートでした.

つづく