メモ
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68368
講談社
20191204
「純粋数学」は200年後に真価を発揮? 飛び級した数学者が解説
実生活も支える「美しい」世界を覗こう
(抜粋)
慶應大学理工学部数理科学科准教授勝良健史さん

「解くのが難しいからといって価値があるとは限りません。解いた問題や得た結果の価値は、とても長い年月をかけて多くの科学者によって精査されます。抽象的な純粋数学の結果が、100年後や200年後に思ってもみない具体的な形で応用されるなんていうこともあります。

だからこそ、純粋数学の研究者は他人の意見には影響されず、それでいて他人に共感されるような独自の価値観、美的感覚を持つべきだと私は思います」と勝良さんは力説する。

「解くよりも理解」が純粋数学を深める

「純粋数学の研究では、問題を解く、答えを出すということよりも、不思議な現象を見出し、それを理解するという面の方が強いと私は思います。不思議な現象を見出し理解するためには、対象をよく調査し仮説を立てて、さまざまな実験を通して検証する必要があります。

このようなアプローチは、理工学の他の分野と似ているのではないでしょうか。ただ、対象が数学的対象と呼ばれる抽象的なものであり、実験にコンピュータを使うことが多いとはいえ、思考実験が中心であるという点は純粋数学の特徴だと思います。

つづく