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つづき

雑談のあるチームはトラブルに強い
 適度な雑談があるチームはトラブル対応にも強い。

 筆者が見てきた、普段雑談しているシステム運用チームは、障害など突発的なインシデントがあったときの結束も対応も格段に早かった。

 メンバー全員が「緊急」の空気感を察してすぐにつながり、1人ひとりが自分の役割を理解した上で力を発揮する。時間がかかったとしても、協力しながらインシデントを解決する。普段の雑談を通じて、互いの強みや得意分野(誰がなにが得意か)、役割を分かっているのだ。

 雑談が無いチームではどうなるか?

 リーダーの細かな指示がないと誰も動かない。緊急事態なのに、涼しい顔をして優先度の低い作業を続ける人もいる。互いの持ち場が分からず思考停止する。あるいは、悪気なく同じ持ち場につこうとする。

 一方で、誰もカバーしない空白地帯(いわゆる三遊間ゴロ)が発生する。いつまでたってもトラブルが収束しない。社内や顧客からの信頼も失う。

 筆者は、普段雑談をしていてトラブル対応に強いチームを、合体ロボットが登場する戦隊ヒーロー番組に例えている。

 いつもは下らない会話ばかりしていて、時にいがみ合うこともあるけれど、互いを良く分かっている。敵が出現すると、瞬時に合体してそれぞれが自分の持ち場で力を発揮する。そして、番組の時間枠で敵を倒し残業せずに帰っていく。

 一方、現実の結束力の無いチームは、合体(連携)まで時間がかかるうえに、合体してもメンバー同士の意識がちぐはぐで残業しまくり、そうこうしているうちにリカバリーできないくらいの致命傷を負う。この差は大きい。

つづく