2018年10月号の講評です:

■出題1:レベル6〜7(常連正解率60〜80%)
※スツルムの定理不使用の場合レベル10(正解者0〜2名)

時弘男塾長の出題。例年通り題材は力学系。
正整数kに対し、P_0=1, P_1=x−1, P_n=x^k * P_{n−1}−P_{n−2}でP_n(x)を定め、
小問(1)x>0、(2)kを奇数としてx<0、(3)kを偶数としてx<−1における零点の個数を求める問題。

彼の問題はいつも難しく2015年は正解者たったの2名(昨年はめずらしく易しかったが)。
今回も『どうやって解くんじゃい…』とまず途方に暮れるところから始まる。

が、本問はスツルムの定理を使えば比較的簡単に解ける。
使わずに解くことを要求しているとすれば難易度はレベル10に跳ね上がる。


■出題2:レベル5(常連正解率95%)

加古先生の出題。
複素数z, w, 実数λに対してF=sup|λ−z|/|λ−w|(λ∈R)と定めたとき、
Im(w)の絶対値を∞に飛ばすとFはどうなるか?という問題。

・各複素数の実部虚部を適切に限定して、問題をほぐす。
・素直にFの挙動を調べて極限を考える
という正攻法で解けるので難易度は高くない。

エレガントに解くことを至上命題と考えている猛者は腕の見せ所。
いろんな考え方がありそうです(既に本スレでも示されていますが)。