>>450 つづき

カントール集合
位相的な特徴づけがよく知られているのがこのカントール集合でしょう。

以下ではカントール集合をCで書きます。

定理1:完全(孤立点が存在しないということ)で完全不連結なコンパクト距離空間はCに同相である。

また、カントール集合から一点を取り除いた空間も上の定理1を用いて特徴づけが出来ます。

以下ではカントール集合から一点を取り除いた空間をLで書きます。

定理2:ノンコンパクトで完全、かつ完全不連結でσコンパクトな局所コンパクト距離空間はLと同相である。

この定理2の仮定を充たす空間を一点コンパクト化して定理1を用いれば簡単に証明できます。

さて上の二つの定理を合わせて次のように統合できます。

定理3:完全、かつ完全不連結な第二可算局所コンパクトハウスドルフ空間はC、もしくはLに同相である。

これを用いるとCのクロープン集合について次が分かります。

系4:Cの非空なクロープン集合はC、もしくはLに同相である。どちらに同相であるかは、コンパクトかノンコンパクトかに応じて変わる。

この定理は

L.E.J. Brouwer, On the structure of perfect sets of points, in: KNAW, Proceedings, 12, 1909-1910, Amsterdam, 1910, pp785-794

により発表されたようです。証明が載っている本としてはWillard著作のGeneral topologyや、北田韶彦著作の「位相空間とその応用」にあります。

つづく