>>277 つづき

(参考)

http://fuchino.ddo.jp/articles/winterreise2016ex.pdf
冬の旅 ? ポーランドとチェコへの数学の旅11 渕野昌 201712
(抜粋)
(以下の文章は,『数学セミナー』2016 年6 月号に掲載された同名の記事の拡張版です.)
P23
ポーランド学派の研究での一つの中心主題は実
数全体R の構造の研究であった. そして,彼らの研究では,測度とカテゴリーに関する
考察が重要な役割を果たしていた. (ただし,ここで言うカテゴリーとは,カテゴリー理
論のそれではなく,第1種(first category) および第2種(second category) の集合に関す
る議論のことである.) 測度とカテゴリーは,多くの場合,大変似た振舞をすることが知
られていて,連続体仮説,あるいは,もう少し一般的に,例えば,マルティンの公理の下
では,実際に,強い形の双対性が測度とカテゴリーの間に成り立っていることが知られて
いる(定理A.3 ).また,フビニの定理とウラム- クラトウスキーの定理,コルモゴロフの
0 - 1則とそれに相当するベールの性質を持つ集合に関する定理など,連続体仮説などの
仮定なしに集合論の枠組みの中で既に証明できるもので,測度とカテゴリーに関して対に
なっている定理が多く見られる.これらのことは,例えば[3] に詳しい.

定義1
b) R の部分集合X は,任意の実数上の区間I に対し,I \ X が空でない開区間を含むと
き,全疎であるという.R の部分集合X は,全疎集合の可算和として表されるとき,
第1類の集合と呼ばれる.
(引用終り)

つづく