斎藤毅著『集合と位相』を読んでいます。

「X を集合とし、 (X_i) i ∈ I を X の部分集合の族とする。
X の元の族 (x_i) i ∈ I が、任意の i ∈ I に対し、 x_i ∈ X_i をみたすとき、
(x_i) i ∈ I は (X_i) i ∈ I の元の族であるという。

Π X_i = {(x_i) i ∈ I ∈ Map(I, X) | ∀i ∈ I x_i ∈ X_i}

は、 (X_i) i ∈ I の元の族全体のなす集合ということになる。これを、
集合族 (X_i) i ∈ I の積とよぶ。」

と書いてあります。

その後、選択公理のところで、

「(X_i) i ∈ I を集合族とし、任意の i ∈ I に対し X_i ≠ φ であるとする。
このとき、積 Π X_i も空集合でない。」

という箇所があります。

選択公理のところでは、 (X_i) i ∈ I は X の部分集合の族とは仮定されていません。
「積」が定義されているのは、 (X_i) i ∈ I が X の部分集合の族のときだけです。

これはごまかしではないでしょうか?