つづき
 761の問題は、問題5に相当するものだが、761さんは無条件にA・Bが用意されている確率は共に1/2として議論している。
果たしてそれは妥当か? それが正しいというのならば、「A・Bが用意されている確率は共に1/2」に相当する内容が問題文
で確認できなければならない。確認できるのは、大きな封筒に入っている二つの封筒の内、どちらを選ぶかが1/2というだけ。
Aが用意されていて、二つの封筒から一つを選ぶとき、一万円を選ぶ確率は1/2で、二万円を選ぶ確率も1/2だが、
この確率事象は終了し、すでに一万円を選んでいる。ここで交換したら、他方の封筒には確率1で二万円が入っている。
同様に、Bが用意されていて、一万を選び、ここで、封筒を交換したら確率1で五千円が入っている。
Aが用意されている確率、Bが用意されている確率を、どうして、「大きな封筒の中の二つの封筒から一方を選ぶ」
のと同じように 1/2 と、判断できるのか? 
Aが用意されている確率、Bが用意されている確率が、「大きな封筒の中の二つの封筒から一方を選ぶ」のと同じように、
1/2 づつだ と、巧みに思わされているだけ。

上の問題では、問う内容が「もう一方の封筒の中身が二万円の確率は」となっているが、
「交換したときの期待値は」としてもよい。そして、問題1から3では、きちんと期待値が計算できるが、
問題4,5では出来ない。理由は、必要な情報が問題に無いから。
同様に、761の問題でも期待値は計算でない。
この問題に、(勝手な想定を置かずに)期待値を持ち出して議論しても本質にはたどり着かない。

二つの封筒問題には、「数学的見地から、あるいは、期待値という観点から、交換すべきかどうかの判断は出来ない」
というのが妥当で正当な結論。