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>カラビ・マルクス現象

カラビ・マルクス現象か・・。擬リーマン幾何?それはなんですか?(^^
http://www.ipmu.jp/en/node/1880
Kavli IPMU News
http://www.ipmu.jp/sites/default/files/webfm/pdfs/news25/J03_FEATURE.pdf
局所から大域へ − リーマン幾何を超えた世界で 小林俊行 2014
(抜粋)
1980年代の半ばごろより、私はリーマン幾何学の枠組を超えた空間に対する不連続群の一般理論を作ろうという試みを始めました。リーマン幾何とは対照的に、“自然な距離”が存在しない世界では、研究手法そのものも開発する必要があります。当時は興味を示す研究者は殆どおらず、孤独ではありましたが何をやっても新しい発見になりました。
1990年代以降には、いろいろな分野の数学者もこの新しいテーマに参入し、(非可換) エルゴード理論・ユニタリ表現論・微分幾何学など数学の異分野と思いがけない繋がりも生まれてきています。
国際数学年の2000年には、「(非リーマン幾何における) 局所均質空間」というテーマが21世紀の新しい数学の挑戦課題の一つとして紹介され (文献 [1])、その後もこのモチーフは深化し続けています。
本稿では、厳密さは多少犠牲にして数学の専門用語をできるだけ持ち込まず、リーマン幾何の枠組を超えた局所均質空間の大域幾何と、最近手がけ始めたスペクトルの研究 (大域解析) の雰囲気を伝えてみたいと思います。

擬リーマン幾何は、リーマン幾何や相対性理論の時空を記述するローレンツ幾何を特別な場合として含む概念です。その入り口を紹介しましょう。

定理1 (1)(リーマン幾何)必ず閉じている。(2)(ローレンツ幾何)決して閉じない。
定理1(2)は、第一発見者の名前を取って、カラビ=マルクス現象と呼ばれています(文献[ 2])。

定理1と定理2のいずれにおいても、「局所   大域」に関して、リーマン幾何とローレンツ幾何には著しい違いがあることを主張しています。もっと一般の符号(p,q) (p ? q ? 2) に対する擬リーマン幾何についてはどうでしょうか?
カラビ=マルクス現象を一般化することにより、正の曲率の場合は閉じた空間形が存在しないことが証明されます。一方、負曲率の場合にはどのような整数 p,q に対して閉じた空間形が存在するかという問題は、まだ完全には解決していない難問です。