・掛け算順序の典型的設問例&簡単な解説

(問)飴の袋が2つあります。袋にはそれぞれ飴が3個入っています。飴は全部で何個ですか?
(解答例1)式:3×2=6 答:6個
(解答例2)式:2×3=6 答:6個

 掛け算順序によれば、解答例2は不正解になります。
 掛け算の式では求めたいのが飴の個数で、式では飴の個数を先に書かなければならないからです。
 3個×2=6個が正しい掛け算順序です。これをサンドイッチ方式と呼ぶようです(個と個でサンドイッチ)。
 つまり、掛け算は「(一つ分)×(いくつ分)」の形に書かなければならないというルールです。

 1970年代に数学者の遠山啓が、「飴を1つずつ配れば、1袋の2個を取り出し、それが3回だから、2×3でもよい」と主張しました。
 これを、トランプ遊びでカードを配るやり方に似ているということで、トランプ配りと呼ぶようです(お菓子配りとも)。
 これはサンドイッチ方式のまま、一つ分といくつ分の見方はいろいろ変えられるというものです。
 これに対し、2×3個=6個と求めてもよいはずだというのが、掛け算順序に反対する立場です。

 上記は文章題ですが、掛け算は「2+2+2を2×3と書く」という感じの説明から始まります。同数累加といいます。
 この説明通りに掛け算をすべきだという立場では、「2+2+2=3×2」を間違いとすることもあります。
 ただし、掛け算の交換法則を習った後は、どちらでもいいとする人が多いようです。
 こういう数の掛け算と文章題の掛け算では議論が異なることが多いので注意が必要です。