そろそろ夏休み。一足先に自由研究をば。

[数セミの適正な読者数に関する一考察]

数セミがメディアで紹介され、さらにAIブームに乗じて購読者数が一桁増えたとしよう。
解答にB5 2枚を要するレベル6程度の問題に対して、
これまで数十人の投稿者だったのが数百人になる計算。
果たして出題者はすべての答案にきちんと目を通せるだろうか?
いくら聡明な数学者と言えど心無い汚い文字を読むのに苦労し、
スジが明快でないアマチュアの記述を読むのにまた苦労し、
すべて読み終えるのに軽く丸3日はかかりそうである。
10万程度の謝礼だったらお断りしたいレベル。
よって投稿者が高々数十に収まるよう難問はより難化するのである。

仮に易問を出したとしよう。
100を超えていた投稿者数が一桁増により1000のオーダーに達する計算。
こうなると「最終的な結論が合っているならOK」という問題に限定しておかないと
答案を見る時間はいくらあっても足りず、出題者は悲惨なことになる。
思いもよらない解法が出てくるのは本コーナーの醍醐味であるが、
そんなのがあったら大変であり、出題者は気を抜くことができない。
よって一目で正誤が判定できる問題に限定され、易問はより易化するのである。

よって問題を難しくしても簡単にしても読者はエレ解から離れ、ひいては数セミから離れていくのである。

ところで購読者が一桁減ったとすると、もはや豊島区大塚の駅近に事務所を構えるのは無理であり、
「数セミ?エレ解?何それトレンド」は加速し、エレ解常連が多けれ少なかれ感じてきた
わずかながらの功名心も失われ、コア層を失う危機がいよいよ到来、雑誌存続は不可となる。

以上を総合すると、現在の読者数は多くも少なくもなく、良い平衡状態にあると言えるのではなかろうか・・・
編集者の給料が上がらないのはとても残念なことだが・・・