18年6月号の講評です:

■出題1:レベル7〜?(常連正解率50%以下)

三角形ABCの3辺を両方向に等距離延長し、各頂点から伸びた2点を結んでできる3直線の交点をA'B'C'とする。
このときAA',BB',CC'が1点に交わることを示す問題。

幾何センスを問われる良難問。
数オリが得意な若い頭脳には簡単なことでしょう。
何度メネラウスを計算したことか。
明けても暮れてもメネラウス。
もう当分のあいだ三角形と直線のなす比は考えたくありません。
締め切り日に気付いたことは相似形とメネラウスだけではダメということです。
延長距離ゼロなら内心で交わることに気付いたPCの前のキミ!
それが何かの役に立ちましたか?


■出題2:レベル7(常連正解率50%)

a_i+b_j=c_{i,j}({a_i},{b_j} i,j=1〜10は0以上の整数列)
が0から99を渡るような{a_i},{b_j}の組を列挙する問題。

本質的な組み合わせが「〜通りに限られる」ことを示すのが難しい。
考えやすいように{a_i},{b_j}に適切な制限を加えることがまず必要。
そのうえで0〜99まで数字がどのように増えていくかを考えると、
題意を満たす数列のパターンはそう多くないことに気付くでしょう。
厳密に示すのはやはり並の高校生レベルでは厳しいといえます。
解くのが難しいのではなく本質を突く補題を自分で設定して解くところが難しい。
本誌エレ解をもとむコーナーの腕の見せ所はこういうところにあります。