17年8月号の講評です。

■問1:難易度6〜?(常連正解率 数%〜70%)

とても面白い問題だったので掘り下げたいと思います。
本問題を考えた方はお付き合いください。

小問1:≡924(mod n)となるnはどのような数か?
小問2:n≦5000の範囲で≡924となる数のおおよその個数を求めよ
小問3:二項係数(2n n)≡924 (mod n)となるnが筋をなす理由を答えよ

本問題はこのような小問に分けられます。

実際のところ、題意を満たすnは100個強あります。
そのうち90%以上は特有の性質Aをもちます。
Aは最初の数例から発見できますが、
「A ⇒ ≡924」ではないのが本問の難しいところ。
Aに加え、ある条件Bも満たさなければいけません。

[1] Aを満たすnがある条件Bを満たせば≡924となること
[2] Aを満たすnのうち条件Bを満たすものが大多数であること
[3] Aを満たすnがおおよそ100個強であること
[4] [2][3]より筋をなすこと(これは簡単に示せる)

これらを示せば小問1〜3に答えたことになりますね。
「数値計算により示される. QED」で済めば[1][4]を示すだけで
よいのですがそれでハナマルをくれることはないでしょうね。

[1]〜[4]が示せたとしましょう。ここで終わりにしてもよいですが、
上級者はAの性質を持たない例外についても言及したくなるでしょう。
凡人の私はそこまで深入りできませんが。

所感として本問題は
・ヒントが適切適量
・ネットに解答が落ちてない(たぶん)
・難易度は高め
・解答者の力量に合わせてレベルが変わる
稀に見るエレガントな問題です。
エレ解の常連としては本問に熱中できただけでも
お金を払った価値があるというものです。

別アプローチであっさり解けた方はいますか?
本スレではよくあるパターン。心配です(笑)

■問2:難易度2(高校生正解率90%くらい)

「方法はどうあれ解けば勝者」
このようなマインドを持つ私に対して
「エレガントな解答を期待します」
という要求は意味をもちません。

問1のエレガントな出題に対し何たる手抜き問題か。
対比の不運もありますが、晴れて堂々、
ブラックリスト入りが決定でございます(笑)