(続き)
もちろんこれは(3x−1)問題における現象であるから、もともとのコラッツの問題とは無関係のように見えるかもしれない。
しかし、そんなことは無い。もともとのコラッツの問題でも、

・任意の「ループする数字の列 v1 >> v2 >> v3 >> …… >> vn >> v1 >> v2 >> …… 」

に対して、全く同じ現象が起きる。すなわち、初期状態のJ(v)のうち、

J(v1) = { v1 }, J(v2) = { v2 }, J(v3) = { v3 }, ……, J(vn) = { vn }

だけを列挙する。この状態で、もともとのコラッツの問題において、順次 Cola(v1), Cola(v2), ……, Cola(vn) までを
1回ずつ実行すれば、

J(v1) = { v1, v2, ……, vn }, J(v2) = { }, J(v3) = { }, ……, J(vn) = { }

となり、全く同じ現象に遭遇する。つまり、今の段階で v1∈J(v1) であるが、しかし Cola(v1) は既に1回だけ実行済みなのである。
従って、もともとのコラッツの問題においても、Cola が未だ実行されてないことを前提とした命題1の証明は全滅だと思われる。

また、このことからも分かるように、もし実際にループがあるなら、ループする数字の集まり v1, v2, ……, vn は実際に「引越し」を繰り返すだけであり、
J(v) に関する手法は全く意味を成さない。Cola(v) を作用させる順番を工夫してみるとか、そういう話にすらならない。もし実際にループがあるなら、
Cola に応じて実際に引越しが行われるだけであり、そこに矛盾が生じることは原理的にありえないのである。
この感覚が腑に落ちないときは、(3x+1)問題のみならず、一般の(ax+b)問題ではどうなるかをイメージするとよい。
あなたが使っている手法が「 3x+1 」に依存していない場面は、そっくりそのまま一般の(ax+b)問題でも適用可能になるのである。
しかし、一般の(ax+b)問題でおかしな現象が起きるなら、あなたが使っている その手法は、自動的に「どこかが間違っている」ことになる。
そこから逆算して、もともとの(3x+1)問題に置き直してみれば、具体的にどこが間違っていたのかがハッキリする。