「常夜灯」

 「めぐみ、あんた都合のいいオンナになってない…?!
 ラインなどの返信が遅いとか、または既読にならないとか...

 食事するとこ勝手に決められているとか、またはどこへも行かないとか
  安いとこだけとかさ… 仕事の相談や、悩みを話さないとかさ...

 アンタのこと聞いてこないとか、あんたにお金を使わないとかさ...
 割り勘とか、あんたが奢りとかさ… 今言ったことがあるなら、
  都合のいいオンナになっている証拠なのよ。どうなの…?!」

「どうなのと言われても... 今のところ大丈夫だと思うけど...
  もし、そうなったら、どうしたらいいの…?」 

 「う〜ん、そうね、彼が見返すくらいオシャレして、他の男友達と
  仲良くして色気を付け、モテる女を演じればいいじゃん! 
   あくまでも男友達多いだけという感じで...」


  ...実は気になることがあった.........
 あれは去年の暑さもやっとおさまり、涼しくなり始めた頃だった...

 自分が会いたいと言った時に会えないことがあった。連絡もいつも彼の都合。
  ラインの返事も遅かった。いつも彼の言いなりになっていた...

 いつも彼の都合に合わせていた。彼との約束してから自分の予定を入れていた。
   時にはドタキャンされることもあった...

 「ちょっと、遅くなる…」―――
  電話したら、そう言ったから秋の夜長待っていた.........


  ------ちょっと前、こんなことがあった---------
 「今日の約束、行けなくなった。今度必ず、埋め合わせするよ。本当にごめん…」

 「仕方がないよ。お仕事でしょ… 私のことは気にしないで… 
   お仕事頑張ってね…」なんて気の利いたことは言えなくて...

 「この前も、同じこと言っていたよね ?! ねぇ、今度って、一体、いつ…?!
  この際だから、私なんかやめて仕事を恋人にしたらいいんじゃないの…」

  そう言って電話を切って別れた。そんな私を襲うのは後悔と涙だった...

   常夜灯が点いているから あたし泣かないわ
   常夜灯が点いているから あたし泣かないわ
  
   夜の底で 眠り半ば 目を開けてしまった
   誰もいない 音もしない 風も動かない
   カーテンの隙間から細い光が伏せている

   常夜灯が点いているから あたし哀しいわ
   常夜灯が点いているから あたし哀しいわ