批評よろしくお願いします 冒頭部分です

                 万年筆愛好家Uとその弟子

若者「なんかムカつきますよねー」
浦山「なにが?」
若「これですよ! 5chに経歴詐称とか学歴詐称とか書いてる。ウィキとかチェックしてんですかねコイツ」
浦「ああ、それね。言わしとけ、どうせバカだ」
若「でも悔しいじゃないすか! 國學院大学出てるのに最終学歴が田舎の高卒とかいわれて・・・」
浦「ほっとけ! 作家で万年筆コレクターの俺への嫉妬だろ。よくある話だ」
若「それにしてもしつけー。証拠出してぐうの音も出ないようにしてやりましょうよ」
浦「だけどな、俺あんまり大学行ってなかったからね。渋谷のレジュ・ドゥって喫茶店で堀辰雄とか読んでたから」
若「でもそれはたまに、ですよね?」
浦「いや、ほぼほぼ毎日。カウンターでいつものやつって言うと黙ってブレンドが出てくるくらい。常連だったの俺」
若「はー。じゃ、大学には? サークル活動とかもやってないんすか?」
浦「大学なんかまったく行ってない。サークルも入ってない。だから語れるエピソードもない」
若「でも卒業したんすよね?」
浦「そうねえ・・・・・・卒業、したよねえ」
若「試験とかは? 前期後期あるじゃないすか」
浦「あー試験な・・・・・・あとで論文とか書いてたかなー」
若「よく書けましたねー、でも授業には出席してないんすよね?」
浦「そこは代返で」
若「でも誰が代返するんすか? 大学行かずにサークルも入らなきゃ代返する友達もできないんじゃ」
浦「ん? なにが言いたいんだよ」
若「・・・・いや、それで4年で卒業するってすげえなって。そうだ浦山さん、卒論のテーマってなんだったんすか?」
浦「卒論? なんだったかなー、忘れたわ」
若「そうすか、ゼミとかも記憶になさそうすね」
浦「キミは人のこと詮索してんのか? あ?」
若「いや、浦山さんの学歴詐称の疑いを晴らそうと思って質問してただけなんすけど・・・」
浦「國學院でいいじゃないか。もう40年前の話だし、ぜーんぶ忘れた。記憶にございまっせん」
若「あ、そうだ! 大学に卒業証明書もらいに行きますか」
浦「うるさいなー。もう帰れよお。おまえ明日からうちの事務所こなくていいから!」
若「・・・・・・なんでそうなるんすか・・・浦山さん、あなた本当に・・・」