(・・・中略・・・)
 携帯電話から発生する電磁波は、マイクロ波というもので十億ヘルツくらいです。多少周波数は違いますが電子レ
ンジに使われているものと同種です(24.5億ヘルツ)。マイクロ波にはものを発熱させる作用があり、ホットス
ポットエフェクトと呼ばれている現象が起こります。
 たとえば携帯電話から発生したマイクロ波が頭に当たると、頭蓋骨などによって散乱・反射をし、脳の中心部に
集中して発熱させるわけてす。そのため、郵政省の答申でも、7センチ以上離さなければ基準値をこえるといってい
るほどです。(・・・中略・・・)
そうやって研究が進んでいくうちにカルシウムの漏洩が発見された。75年のことですが、脳細胞からカルシウムイ
オンが溶け出してしまうんですね。
 カルシウムというのは骨を作っているだけじやなくて大変重要なものなんです。神経伝達に使われているのはカ
ルシウムイオンの蛋白質だし、細胞分裂にもカルシウムイオンが大切な役割を果たしている。それほど重要なものが
漏洩してしまうことがわかった・・・・それをきっかけにして、どうも100ヘルツ以下の低周波というものは生命
にいろいろな影響がありそうだ、ということで研究が進んだんです。(以下略・・・・)

生物と電磁波:京都大学工学部 荻野晃也理学博士 「母の友 1996年 11月号 福音館書店」
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