>>783

モラル・ハラスメント加害者の代表的な特徴としてよく言われるのが2面性です。
加害者になるような人物は外面が大変良く、世間的には「いい人」で通っているとよく言われ、被害者に見せるような姿を決して外にさらすことはありません。

この特徴は加害者の考え方を大きく反映しているものと私は考えます。
つまりモラル・ハラスメント加害者の基本的な考え方は、二極化、つまり「0か100か」「敵か味方か」「善か悪か」という両極端な傾向が見られます。

加害者は対人関係をこのような歪んだ認識でとらえており、相手が自分にとって敵か味方が、上か下か、支配するかされるかを計り、相手との力関係によって態度を変えます。

その相手が自分(加害者)にとって何らかの形で役に立つ人間だと思ってる間は、敵に回さないように気を使いながら接しているのです。ここには本来の対等、親密な人間関係は存在しません。

加害者は対外的には「いい人」「立派な人」として通っていますが、内面では自分に対してほんの少しの批判や拒絶を自分に対する攻撃、敵意、人格を傷つけるものとして、敵意を持ちます。

また完全に自分の味方につかない人物や、自分を脅かす恐れのある人物に対しては、密かに悪口を流したりして、言葉の武器を使って相手の価値(=評判)を下げていきます。
加害者は第三者に対しては「とてもいい人」であるため、第三者は加害者の言う事を信じてしまい、
「ひどいね」
「よく耐えているね」
などと、加害者を庇います。
加害者の嘘を信じ込んでいる第三者は、被害者に対し、
「もっと優しくしなくちゃ」
「(加害者が)可哀相よ」
「あなたって酷い人ね」
などと、被害者に言ってしまうことがあります。
被害者が加害者の嘘を知った場合、加害者に嘘について尋ねると、
「そんなことは言っていない」
「思い違いだ」
「冗談だよ。本気にしたの?」
などと言って誤魔化したり、更に酷い言葉を投げかけられたりします。
被害者は、こうして加害者だけでなく、第三者からも責められ、どこにも逃げ場がなくなっていきます。