出光興産、NEDOの新たな太陽光発電技術開発に「超軽量」「移動体用」「リサイクル」など3テーマで採択
2020/8/6(木) 7:06配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/8d9306947579ffa40c9140e8fd82a8f7e52fdf36
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 出光興産は8月5日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の新市場創造技術開発」事業に提案していた
「フィルム型超軽量モジュール太陽電池の開発(重量制約のある屋根向け)」および「移動体用太陽電池の研究開発」の2件が共同研究事業として採択されたことを発表した。
事業期間は2件とも2020年度〜2024年度の5年間となる。

 また同時に、出光興産の子会社であるソーラーフロンティアが提案する「結晶シリコンおよびCIS太陽電池モジュールの低環境負荷マテリアルリサイクル技術実証」が、
同じく共同研究事業として採択されたと発表した。

 この採択の発表に合わせてメディア向けにオンラインでの説明会も実施された。
出光興産からは、電力・再エネ企画 開発部 担当部長 黒田雄一氏と、次世代技術研究所 薄膜デバイス研究室 主任研究員 鎌田塁氏が、
ソーラーフロンティアからは、国富工場技術部 部長 白間英樹氏が登壇した。

 NEDOの「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の新市場創造技術開発」事業は、
太陽光発電の主力電源化推進を目的に従来の技術では太陽光発電の導入が進んでいない場所(重量制約のある屋根、建物壁面、移動体向けなど)に必要とされる性能を満たし、
各市場の創出・拡大に資する技術開発を目指すもの。

 出光興産は、ソーラーフロンティアが生産・販売する、
銅(Copper)・インジウム(Indium)・セレン(Selenium)を材料とする化合物系の太陽電池「CIS太陽電池」の技術を応用して新技術開発を行なう。

■研究開発テーマ:フィルム型超軽量モジュール太陽電池の開発

 太陽光発電の主力電源化実現に向け、住宅のみならずRE100やSDGsを推進する企業を中心に消費する電力を太陽光発電により賄うために、
これまで重量の制約から太陽光発電システムが設置できなかった屋根などへの設置需要が高まり、軽量化のニーズはこれまで以上に増大してくると考えられる。

 そこで本事業では従来の太陽光パネルに匹敵する発電性能を有し、軽量かつ広範囲の屋根形体に適合して設置可能となる太陽電池の開発を行なう。
研究開発は出光興産を含む複数の機関が連携・協力して実施するが、出光興産は主に多様な基板に適用可能な軽量CIS太陽電池 製造要素技術の開発を担当する。

 出光興産の電力・再エネ企画開発部の黒田部長は「これまで太陽光発電システムは、地上に設置されるメガソーラーや、住宅の屋根に設置されるタイプが中心で、
普及と同時に設置場所は減少していくため、新たな設置場所や接地環境が必要となります。
また、産業部門では企業がCO2排出量削減対策を推進していくと考えられるが、広大な屋根であるとはいえ、重量の制約などが多く、従来の重い太陽光パネルは設置できないことが課題となり。
軽量なパネルの開発に取り組んでいる」と開発背景を解説した。

※■続く