過去にロシアを糾弾したが…安倍首相、原発汚染水120万トンを放流?
2020/8/1(土) 12:50配信
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中央日報日本語版,YAHOO!JAPAN NEWS

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国際環境団体グリーンピースは2011年3月の福島原発事故発生直後から現在まで現場を訪問し、この地域の放射能汚染と汚染水問題を持続的に提起している。
昨年1月には「福島汚染水危機」と題した報告書を出し、なぜこうした事故が発生したのか、代案は何かを詳細に扱った。

1993年当時の細川護熙首相は、ロシアが「貯蔵場所が満杯になった」という理由で放射性廃棄物を日本近海に捨てることに強く糾弾した。
さらに当時のエリツィン露大統領と会談し、放射性廃棄物を海に捨てないという合意書に署名させた。
当時、細川首相は放射性物質を海に捨てるのは「地球全体に極めて深刻な憂慮(a grave concern)を招く行為」と規定した。

◆冷却水9年間注いで地下水に流入

こうした首脳間の合意にもかかわらず、ロシア海軍が密かに海に放射性物質を捨てる場面を確認したグリーンピースはこれを撮影して暴露し、日本外務省は駐日ロシア大使を呼んで抗議した。

現在の安倍政権の福島原発汚染水放流計画は1993年のロシアの行為と似ている。
日本が加害国に変わったという点を除いてだ。安倍政権の弁解は27年前のロシアと同じだ。
「2022年までに貯蔵タンクが満杯になる」という理由を挙げ、今年中に汚染水処理計画を急いで確定しなければならないということだ。

福島原子炉1−3号機には事故発生から9年経過した現在でも毎日、莫大な量の水を注いでいる。
溶けて流出した核燃料の温度が上がり、また事故当時のように大量の放射性物質が大気中に出る状況を防ぐためだ。
2011年から現在まで原子炉に注いだ冷却水と毎日流入する地下水が120万トンの放射性汚染水としてたまっている。
汚染水の中には放射性物質のうち水に溶けやすい性質のセシウム・ストロンチウム・トリチウム(三重水素)が溶解している。

汚染水に溶けているセシウム・ストロンチウム・トリチウムなどは流入した地下水とともに流れ出る。
地下水の流入を統制するとして壁を作ったが、汚染水の流出は続いた。
2014年に壁と堤防の間に水路を設置し、海に流れ込む地下水が水路に沿って流れるようにした。
流れた汚染水を吸い上げて処理した後、海に放出しようという計画だった。
しかし地下水量が増え、2015年からは壁が曲がり始めた。凍土遮水壁を設置しても流入する地下水の量は減らなかった。
安倍政権は汚染水に溶けているトリチウムさえ処理すればよいという立場だ。
62種の放射性核種が溶けた汚染水に含まれているセシウム・ストロンチウムはそのまま海に流してもかまわないということなのか。

国際環境イシュー専門弁護士は、安倍政権が推進している高レベル放射性汚染水の太平洋放流が韓国管轄水域を含む海洋環境に直接的な脅威となり、
こうした行為は国連海洋法協約(UNCLOS)など国際環境法に違反する可能性があると指摘した。
続いて国際放射線防護原則を挙げ、次のように説明した。
「国際放射線防護原則に基づくと、環境の中で放射能を増加させる決定は必ず正当性がなければならず、実行可能な代案(この場合は長期貯蔵)があればその決定は正当化されない。
120万トンの高レベル汚染水を環境に排出しなくてもよい明確な代案が存在する。
東京電力も過去数年間その事実を知っていたが、
2019年9月27日になってから政府汚染水小委員会に提出した文書で福島原発の北側および南側の区域に追加の汚染水貯蔵タンク建設が可能であることを認めた。
日本政府の放流決定が正当化されてはならないもう一つの理由だ。放流の代わりに実行可能な代案が明確に存在する」。

安倍政権が太平洋に放流しようとする汚染水が海洋生態系と人間に長期的にどのような悪影響を及ぼすかは予想できない。
こうした不確実で長期的な危険を韓国と周辺国、さらには太平洋を共有する国が抱えなければならない理由は全くない。
日本の市民社会と自治体は1993年のロシアの高レベル放射性物質海洋放流に反対したように、安倍政権の今回の放流計画に強く反対している。