、村田光平さんからメールです。
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皆様
東京五輪の最大の問題は、放射能の存在を一定の限度容認する原子力緊急事態宣言の無視です。
福島原発事故から目をそらさせ、そこから発生した放射能の危険性を無視しているのです。
危険です。無責任、不道徳です。
延期された東京五輪の開催見通しがコロナ・パンデミックとの関連で判断されようとしていますが、間違っております。国際社会が必ず問題にするのは安全かどうかで、そもそも原子力緊急事態宣言が解除されていないことだけで東京五輪は失格となるべきだったのです。
日本の市民社会が当初から、倫理の立場から東京五輪の挫折を予見している所以です。
世界も日本もいつまでも放射能無視を放置するはずがありません。
いまだにこのような視点に立つことを忘れた国際組織(国際原子力機関、交際オリンピック委員会、世界保健機関など)は早晩改変を迫られることが予見されます。
世界を一変しつつある新型コロナは経済至上主義を照準に収めております。
グローバリズム、資本主義についてすら同様といえそうです。
大不況の到来により困窮者、失業者等の激増が予見され、「五輪どころではない」との声が高まりつつあります。延期が各方面に及ぼしつつある不安の中の大迷惑を最小限にするためにも五輪中止の決定とこれに伴う危機管理の開始が急がれます。
コロナ感染の第2波の到来が予見される10月を待てば混乱は不可避であり、対応困難となることが深刻に懸念されます。さらなる延期はないこと、開催の可否を10月に決めるとの立場を明らかにしている国際オリンピック委員会が開催を楽観視しているとは到底思えません。
皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。
村田光平
(元駐スイス大使