家計にカネがまわっていないだけで
景気自体は悪いわけでもないらしいが
過去一年くらいの「景気回復」は忖度らしい

日本企業の手元現金が過去最高−大半の国のGDP上回る506兆円超
Ishika Mookerjee、Fox Hu、Min Jeong Lee
2019年9月3日 10:01 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-03/PX7EDC6KLVR601
最新の届け出に基づく日本の上場企業の手元現金は506兆
4000億円と、ブルームバーグのデータによれば過去最高。安
倍晋三首相が企業の現金保有を減らすと公約し第2次政権を
発足させた数カ月後の2013年3月に比べ、3倍余りに膨らん
でいる。

日本人の賃金が増えない根本理由 「内部留保優先の経営」から脱却せよ (3/4)
2019年10月09日 08時00分 公開
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1910/09/news020_3.html
租税公課は6.5%増、企業に残った内部留保は3.7%増だった
のに比べて、人件費の1.0%増というのは、3主体で見た場合、
家計への分配が立ち遅れていることを示しているのではない
だろうか。
労働分配率はアベノミクスで企業収益が好転するなかで、ほ
ぼ一貫して低下を続けてきた。株主に分配する「配当」は総
じて増加してきたのとは対照的だ。コーポレートガバナンス
(企業統治)の強化が進むなかで、年金基金や生命保険会社
などの発言力が増し、企業に増配などを求めるようになった
ことが大きい。

コラム:「それでも景気は回復」 苦しい政府の景気判断=鈴木明彦氏 - ロイター
2019年10月18日
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-suzuki-akihiko-idJPKBN1WX0AD
16年後半になって世界経済が加速してくると、輸出や生産
の拡大に連動して景気動向指数も上昇を続けていたが、18
年になって中国はじめ世界経済の減速につれて景気動向指数
は再び低下に転じた。さらに18年秋からは米中貿易戦争の
影響が徐々に現れたのか、景気動向指数の低下基調がはっき
りしてきた。
景気動向指数の変動は小幅であり、明らかに後退していると
いうほどではないかもしれないが、戦後最長の景気拡大と胸
を張れるものではない。
「アベノミクスが続いているのに景気後退という判断はでき
ない」、「消費増税前に後退という判断などありえない」と
いった忖度が政府の景気判断では働いてしまうのか。いずれ
にしても上か下かはっきりしない景気状況下で、あえて「悪
くなっている」と判断する必要はない、と官庁エコノミスト
なら考えるかもしれない。
一方、民間エコノミストも空気を読む。バブル崩壊後やリー
マンショック後のように文句なしの景気後退であれば別だが、
言わば「横ばい」のような景気状況で、政府の判断に異を唱
える人は少ないだろう。