東電・武藤元副社長「大津波対策指示せず」 原発事故 強制起訴
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018101690142557.html?ref=rank

東京電力福島第一原発事故を巡り、津波対策を怠ったとして業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣三人の公判が十六日、
東京地裁(永渕健一裁判長)であり、津波対策の実質的な責任者だった武藤栄(さかえ)元副社長(68)の被告人質問があった。

弁護側から、三人が出席した同社首脳による二〇〇八年二月の「御前会議」で大津波に対応する新たな方針が了承されたかを問われ、「方針が決まったことは一切ない」と全面的に否定した。 

◆技術面の実質責任者

二〇〇五年六月、執行役員として原子力・立地本部副本部長に就任。
〇八年六月には常務に昇格した上で同副本部長を務め、同原発の津波対策が議論された際は、技術面での実質的な責任者の立場にあった。

一〇年六月には原子力担当の副社長となり、一一年三月の原発事故を迎えた。
事故三日後の記者会見では、原子炉の炉心部が溶け落ちる「炉心溶融」が起きた可能性を把握していたのに、言及しなかった。