北アルプス焼岳「海面下3kmで地震多発」震源に変化あり 断層活動か? 2018年12月05日 09時45分 @ハザードラボ
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12月5日午前9時現在の焼岳(気象庁火山監視カメラ画像より)

長野と岐阜の県境に位置する北アルプスの焼岳(やけだけ)では昨夜から山頂の東の海面下約3キロを震源とする地震が急増していると
気象庁が明らかにした。

焼岳では先月22日以降、山頂付近の海面下約3キロを震源とする地震活動が活発化していて、24日には発生回数が1200回を超えた。

4日午後8時ごろからは、山頂の東約2キロ付近で海面下約3キロのやや深いところを震源とする地震が増加しており、午後7時?0時までの
5時間に67回、5日は午前9時までに12回観測されている。

気象庁によると今回の地震活動は山頂の東を震源としており、先月22日以降の活動場所(山頂の北西1?2キロ)とは震源が異なっているという。

しかし地下のマグマの動きと関係していると見られる山頂直下で起こる低周波地震や火山性微動は観測されておらず、山体の隆起も確認されて
いないため、今回の地震が火山活動の活発化を示す現象だとは考えにくいとしている。

焼岳北側に断層帯の存在

長野県北部を走る断層というと、日本列島を東西に分断する「糸魚川-静岡構造線断層帯」が有名だが、信州大学の研究によると、
今回の地震の震源と見られる焼岳の北側には「境峠・神谷断層帯」が延びていることが知られている。

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焼岳近くには「境峠・神谷断層帯」が存在する(政府地震調査研究推進本部)

この断層帯は長野県松本市から伊那市まで長さ約47キロにわたって延びる断層帯と、長野県塩尻市から木祖村に至る28キロの断層帯から
構成されているが、平均活動周期が約1800?5200年と長く、実態はわからない部分も多く、政府の地震調査研究推進本部では、今後30年間に
マグニチュード(M)7以上の巨大地震が発生する確率を最大13%だと推定していることから、今後の動向に注目したい。

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11月22日以降に起きたやや振幅の大きな地震の時間別回数(気象庁)